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直に触れると、本物に出会える(後編)

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水戸市南町で印章業を営む、はんこや横山・4代目の横山次郎さん。横山さんは、 南町二丁目商店街振興組合という商店会の理事を務めており、本業の傍ら商店街活性化に向け奔走している。

「私が子どもの頃、街にはアーケードが連なっていて、歩道は人で溢れていました。ところが、17年前に水戸に戻ってきた時、状況は一変、歩道は遥か遠くまで見渡せてしまいました。全国各地で中心市街地が空洞化しているという問題を耳にしたことはありましたけど、まさか自分の街が…そんな思いでした」

「水戸の中心市街地には商店会がいくつもありますが、以前とは状況がかなり変わりましたし、変化のスピードも速い。だから今では、商店街の枠を超えた、より広いエリアでの連携が必要不可欠になってきました。それと同時に、地元のお客様にファンになっていただくために、各個店が魅力を持ち続けることが必要なんじゃないでしょうか」

「南町二丁目では、サンタさんたsantaフェスティバルやジャズナイトライブなど、地元の皆さんに楽しんでいただける様々なイベントを仕掛けています。これらは、土日ではなく平日の夕方に開催しています。というのは、南町は企業オフィスが多く、帰宅時のサラリーマン・OLさんをターゲットにしているからなんです。もしかしたら普段は、商店街のお店を通り過ぎるだけだったかもしれませんが、イベントを機に『商店街のお店には、こんな人たちがいるんだ』と知ってもらえると嬉しいですね。それに、手作り感満載の小さなイベントですが、商店主とお客様が直に触れ合える良い機会です。楽しみにしてくれる人がいる限り、これからも継続していきたいと思います」

顧客と直に触れ合うことの大切さ。横山さんのその思いは、本業だけでなく商店会の活動にも体現されているのだ。

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ただ、感動してみたかった

実は、横山さんには素敵な趣味がある。
「南町で一緒に祭りをやっている仲間が、サラっと言ったんですよ。『勝田マラソンを毎年完走している』と。それに驚き、人生で初めてマラソンに興味を持ちました。『フルマラソンを完走すると人生が変わる』『感動で涙があふれる』という話が頭から離れず、30代ビッグチャレンジのつもりで勝田マラソンに参加したのが、2006年のこと。初めは、42kmという途方もない距離に絶望しかありませんでしたが(笑)」

「以来毎年、勝田マラソンにだけは参加し続けています。それまで陸上経験もありませんでしたし、完走後は1週間くらい筋肉痛がひどくて、ロボットのような状態でしたね。今も、自分はマラソン好きなのか、本当はよくわかりません。それでも今年で11回目の完走を果たし、ようやく3時間7分まで記録を伸ばすことが出来ました。ここまで来たら、市民ランナーの憧れ『サブスリー』を目指したいのですが、練習嫌いの自分にはどれだけ果てしないことか…」

「走った後のビールとメシがすごーく美味いことや、日々の生活では気付きにくい成長を、明確に実感できることが、走ることの魅力でしょうか。でも一番は、地域や職場に関係なく仲間の輪が広がったことかな。週末は彼らと一緒に走るのが楽しみなんですよ。レースではライバルだけどね」

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好きが高じて

フルマラソンに参加し続けるだけでもすごいが、横山さんの趣味が止まることはない。

「この歳になって身体を動かすのって、面白いんですよ。いい大人が真剣に遊ぶと、奥深さを知ってますます面白くなるというか。趣味で始まった登山が、トレイルランニングという競技にまで広がったのも、『困難だけど、できるかもしれない』というマラソンでの経験があったからかもしれません」

トレイルランニングとは、陸上競技の中長距離走の一種で、舗装路以外の山野を走るもの。中には100km以上の距離を、何日間もかけて走るレースもある。

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「100マイル(160km)の大会に出場したこともあります。まあ、なかなか完走させてもらえませんが。超長距離を走るのは、競争というより、ちょっとした冒険旅行に出かけるような感覚かな。自然に遊んでもらうのが昔から好きだったというのもありますけど、普段、細かい仕事ばかりやっているので、その反動で圧倒的な大自然の力を味わいくなるのかも。憧れの北アルプスに登った時は、スケールの大きさに驚きました」

「茨城は山が少ないイメージですけど、筑波周辺から県北地域と、素晴らしい山がたくさんあります。奥久慈で開催されるトレイルランの大会には毎年出ています。これが、茨城ならではのとても素晴らしい大会でね。低い完走率の難コースとは裏腹に、地元のおじいおばあの応援がとても温かくて心地良いんです。これからも出場し続けたいですね」

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ランナー × まちづくり

そして、水戸では初めてとなる 「第1回水戸黄門漫遊マラソン」 が、間もなく開催される。
当然、横山さんもランナーとしての血が騒いだようで、

「実は、うちの店の前からスタートするんですよ。これは出ないわけにはいかないでしょ!スタート5分前まで、店でノンビリできるなんて最高じゃないですか。まあそれはともかく、水戸黄門漫遊マラソンにはとても期待しています。ぜひとも大成功してもらいたいし、地元商店街として、多くの来街者を迎え入れたい。これから先も、ずっと続けてほしいです」

「いちランナーとしては、シャワー施設などを備えたランナーズステーションができれば良いなと思っています。ランナーが集まる千波湖周辺での整備が優先されるかもしれませんが、市街地活性化的な観点からだと、まちなかにこそ欲しいですね。市内の数ある歴史文化スポット、例えば偕楽園から弘道館、水戸芸術館から千波公園、そして商店街をつなぐ導線になります。そもそも、まちなかにランナーズステーションがあれば、汗をかいた後そのまま街で一杯やれますよね。ランナーだけじゃなく、ツーリストが集まるまちなかのハブ拠点のような機能を持たせれば、中心市街地での滞留時間も増える。水戸は芸術と文化の街ですが、活動的なライフスタイルを情報発信することも、多様な都市機能が集積した、中心市街地ならではの大切な文化だと思うんです。まずは水戸黄門漫遊マラソンが成功して、一歩ずつそんな雰囲気ができてくることを期待しています」

何事にも直に触れることで、本物と出会ってきた横山さん。
今や横山さんの「走り続ける」情熱は、一向に冷めることを知らない。

%e7%84%a1%e9%a1%8c水戸黄門漫遊マラソン
10/30(日)9:00スタート
※10/29(土)16:00~18:00、メイン会場の茨城県三の丸庁舎広場で、前夜祭があります。

緯度経度で指定
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住所:水戸市南町2-6-6

TEL:029-221-4514

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