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もっと水戸を自慢していいんじゃないか、と思うんだよ。

創業万延元年(1860年)というから、桜田門外の変と同年ということになる。

東日本大震災からの修復もほぼ整ったお店は、迎え入れる客に安心とそこはかとなく懐かしさを感じさせる。木村屋本店の6代目・木村智彦さんと、師匠の5代目・恒雄さんに、明日の仕込みの終わった作業場でお話をお聞きした。

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「そもそもうちの和菓子は、水戸の人たちに食べてもらおうと思って始めたんだよ。観光のみやげもんというよりは、まずは水戸の良いもんとして、地元の人に褒めてもらって自慢してもらいたいんだな」

友人から絶品だと聞いていた「水戸の梅」をいただく。この上品な甘さとしその葉のスジが全く残っていない丁寧な仕事ぶりには、感動もんだ。

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さらに5代目は、熱く語る。
「なんだか、みんな外ばっか向いちゃってるけど、いっぱいあるんだよ、水戸の良いとこが。知らないだけじゃないかな。それを伝えたいってのは、いいことだと思うよ。どんどんやってほしいな。もっと水戸を自慢していいんじゃないか、ちゃんと見りゃたくさんいいとこあると思うんだよ」

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「この商売も辞めたり、また始めたりを繰り返して続いてきたんだよ。なんかこれも、自分の思った通りにやる水戸ならではの自由な気風かな。幕末の頃も、だいたい自分勝手に動いた感じがするよな。うちの商売も、俺の代で辞めてしまった菓子もあるし、息子が復活させたのもあるんだよ。そもそも、自分の嫌いなもんって、あんまりチカラ入らんからね。それが、お客さんに伝わってしまうのは申し訳ない」

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6代目の 智彦さんも続く。
「うちの店にはあんまり抹茶風味の品は並んでないでしょ。和菓子にお茶はつきもんなんで、お茶とけんかするんじゃないかって」

6代目の考えで取り入れた商品もありますよね?
「ありますよ。わらび餅」

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すかさず5代目からかぶせ気味に
「そういうのはみやげもん屋だっていったんだけど・・・」

で、売上の方は?
「好調です。他にも黒糖饅頭の皮を厚くしてみたり、結局自分が美味しいと思うもんを自慢して共感してもらいたいっていう気持ちが、なんか前へ進める力になるんですよね。親子で向き合って仕事するって結構きついんですよ」

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これはまずい展開かと思ったが、5代目は笑っている。
「大変だと思うよ。俺がでっかくなってからできるようになったことを、ちっちゃいうちからやれって言われるんだから。まあ、こっちも責任があるからな。伝えておかないとという想いが乗っちゃうわな。息子の代で辞めちゃった商品もあるし、俺の代で辞めちゃったものもあるけど、そこはお互いの勘を尊重してるつもりだし、続けていくっていうのはそれなりに、色々あるわな」

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「こんなに小さかった子が、大人になってまた小さい我が子を連れて買いにきてくれる。これは、やってて良かったって思うな。抱きしめたくなるよ」

この商売を続けてきて良かったという想いも一緒に届けるお菓子。
きっと格別の味で人々の心を温かく満たすだろう。

010_P6木村屋本店

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住所:水戸市南町1-2-21

TEL:029-221-3418

涙する観客を見て、逆に胸を打たれてしまった。

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