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お客様を楽しませたい、ただそれだけですから

「とにかくアットホームなお店を作りたかったんです。だんだんその思いがお客様に伝わってきたんじゃないかな」
多国籍料理の店・BACK PACKER。オーナーの鈴木健祐さんは、オープン3年目を迎え、確かな手ごたえを実感している。

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3.11が教えてくれたこと

「もともと料理が好きで、水戸市内の多国籍料理店で働いた後、和食創作系の居酒屋で料理をしっかり学びました。ところがその居酒屋に務めているときに、忘れもしない、あの東日本大震災が起きたんです。梅酒を150種類ぐらい扱っている店だったので、置いてあった瓶が全部倒れました…。」

「あと、僕は今子供が3人いるんですが、震災の直前に2人目が生まれたばかりだったので、ミルクを飲ませるのに苦労しましたね。震災で断水していたし、自宅はオール電化なのでガスもないし。でもそんなとき、居酒屋の社長が『店にある製氷機の水とカセットコンロを使いなさい』と手を差し伸べてくれたことは、絶対に忘れません」

「しかも社長は、ずっと炊き出しをやっていたんですよ。その姿が強く目に焼き付いていて、飲食の仕事をやってて良かったと感じました。もし万が一、また震災が起きてしまったら、飲食に携わる人間として、今度は自分も何かできるんじゃないかって」

鈴木さんにとっての3.11は苦難の連続だったが、震災を通してひと回り成長もできたようだ。

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「和食以外のジャンルも勉強したくて、その後は茨城が誇る木内酒造さん直営で、ハンバーガーとビールがメインのお店true brewで店長を務めました。でも、どうしても最初に学んだ多国籍料理をやりたくて、独立することを決意したんです。雇われているのと自分で店をやるのは全然違うので、家族にはかなり反対されましたけど、押し通しちゃいました(笑)」

2014年3月1日、水戸東照宮の大鳥居の隣に、念願の店がオープンした。レンガタイルであしらわれた外観に、ウッド調の店内が見事に調和する。カウンターの上を見ると、何やら大きな黒板が。
「店を始める上で、どうしてもやりたかったのがチョークアートです。チョークアートの存在を偶然テレビで知り、自分で調べて作家さんに頼みこみました。そして出来上がったのが、この黒板メニュー。多国籍料理や、サンドイッチの食材を描いています」

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多国籍の強み

BACK PACKERの売りの一つは、メニューの豊富さ。サンドイッチやハンバーガーはもちろん、世界の国々の料理は、オーナー自らの修行の賜物だ。

「ハンバーガーをやり始めてから、人気になったというよりは、店の認知度が上がったような気がします。本格的なハンバーガーを出すお店って珍しいのかも。外国人の方もよくいらっしゃいますよ、AET(英語指導助手)の先生とか」

「ただ、スペインバルやイタリアンなどを専門でやられているお店からすると、うちみたいに色々な国の料理をちょっとずつ出す店は、あまり良く思われないかもしれないですね。でも、裏を返せばそれがうちの強みでもあるんです。ここの国の料理とここの国のビールを合わせるとおいしいとか、色々なご提案ができますし」

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そしてもう一つ。BACK PACKERでは、世界各地の20種類以上のビールが楽しめるのが特徴だ。
「true brewで学んだ知識もそうだし、何より個人的にビールが大好きなんです。だから、ビールにはとことんこだわってますよ。木内酒造さんの常陸野ネストビールはもちろん、スコットランドのIPAというビールがおすすめです。ブリュードッグというメーカーで、日本にも専門店ができるぐらい人気が高いんですよ。海外のビールって、クセがあって飲みにくいんじゃないかとよく言われるんですが、お客様にはその中でも比較的飲みやすいものをおすすめしています。世界にはこんなにおいしいビールがあるんだということを、水戸の人にもっと知ってもらいですね」

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「去年(2015年)の5月からこのビルの屋上をお借りして、ずっとやりたかったビアガーデンをスタートさせました。うちのビアガーデンは、大人数でなくてもふらっと来やすい雰囲気を作っていきたいです。10種類以上のビールはもちろん、女性にも楽しんでいただけるよう、今ブームになっているモヒートも、たくさん種類をご用意してお待ちしております」

BACK PACKERのビアガーデンは人気を集めてきており、今年4月に開催された水戸バー・バル・バールでは2日間でおよそ400人が足を運んだそう。

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「いつか、BACK PACKERオリジナルビールを提供したいです。実はこれまでも、木内酒造さんにお願いしてオープン記念、1周年記念、2周年記念のビールを作ってきたんですよ。改良を重ねるうちに理想の味に近づいてきたので、来年(2017年)ぐらいには商品化できそうです。店では樽のビール、お土産用にボトルビールといった感じで、色々な楽しみ方を提案していきたいですね」

「料理に関しては、ずっと多国籍料理でやってきましたが、和食系の料理は出してこなかったんです。でも、和食のお店でも修行していたせいか、『今日の盛り付けは和食っぽいな』と感じることがあるんです。ビアガーデンで炭焼きもできるようになったので、まずは魚介の炭焼きを中心に、和食のテイストを取り入れていこうと思っています」

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とことん楽しむ、それがうちの理念です

「イギリス発祥の料理であるフィッシュアンドチップス。本場ではビネガーをかけて食べるんですけど、正直僕はあまりおいしいと思わないんです。にも関わらず、ビネガーを一緒に注文される方が結構多い。その理由わかります?」

「昔は冷蔵技術が発達していなかったので、魚を長く保存しているとどうしても臭いがきつかったんですよね。それを消すためにビネガーが使われていて、そのまま料理にも応用されたということなんです。だから、そもそもこの由来を知らずに現代の人たちがビネガーをかけて食べるのは、ちょっと違うんじゃないかと思うんですよ」

「こんな感じで、料理一つ一つに物語があるんです。それをお客様にお話しすると、とても喜んでいただけます。お客様が楽しければ、スタッフも自然と笑顔になってくる。なので、なるべくお客様とコミュニケーションをとるようにしています」

また、料理の起源や由来を知ることで、自分なりに色々な国の料理を解釈できるようになると、鈴木さんは語る。
BACK PACKERが提供する多国籍料理のひとつひとつに、物語を知る鈴木さんの味が詰まっている。
すべて手作りのオリジナルスパイスも、味の原型を崩さぬよう、微妙な調整を重ねた証だ。

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「僕は水戸生まれ水戸育ちなので、これからも水戸でやっていきたいですね。15年前ぐらいはもっと人通りが多くて、正直あまり宣伝しなくても繁盛しているお店があったかもしれませんが、今はどこも厳しい。だからといって、『まちを盛り上げたい』とか『僕がまちをなんとかしなきゃ』とか、そんな大それたことは考えていません。僕の根幹にあるのは、『他のお店がやっていないようなことをやって、お客様を楽しませたい』、それだけですから

料理、ビール、楽しさを追求した雰囲気づくり…そのすべてがBACK PACKERの魅力だ。
交じり合う異国文化の醍醐味を、ぜひお試しあれ。

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■住所:水戸市宮町2-4-35
■電話:029-306-8559
■営業時間
火~木 11:00~23:00(L.O.22:00)
金・土・祝前日 11:00~24:00(L.O.23:00)
■定休日:月曜日 ※不定休日あり 月曜が祝日の日は翌火曜

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住所:水戸市宮町2-4-35

TEL:029-306-8559

神社をね、テーマパークのような場所にしたいんです 展望台をつくっているおじさんがいる。

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